つくば市北条にある古いお屋敷。 通称『矢中御殿』を覗いてみれば・・・ 懐かしいような、不思議な風景があちこちに。 そんな風景を、ちょっとつまみ食いしてみましょう(笑)。

2016年09月25日

中門にあった門扉

屋敷に残っている古い写真を見ていると、かつての屋敷の姿が見えてくるようである。
今の状況でそこまで復元するのは無理であるが、かつてはこんな状況だったという話だけでも伝えたいものである。
雪の日の中庭であるが、石段はほぼそのままである。
注目して頂きたいのは、中門の木製の門扉であろう。
遠目ながらも、なかなかの豪華さを感じるようである。
撮影年月は不明であるが、一緒にあった写真には別館の二階が写っている。
さらに筑波山にはロープウエイが見当たらないので、昭和三十八年の豪雪時の写真ではないかと思われるのだが。  


Posted by そらねこ at 21:40Comments(0)

2016年09月24日

秋雨が長引く

台風もあったが、今年は秋雨が長引いている。
水はけのよくない屋敷の入り口は、連日水がたまりなかなか困った状態になっている。
中門まで来ればそんなにひどい状態ではないのであるが、これでは第一印象があまりにも悪すぎるのが頭痛の種か。
穏やかな屋敷の風情は、なかなか捨てがたいものがあるのだが・・・。
例えば表玄関を入って、窓ガラスを見てみる。
クラシカルな窓の向こうには、どんよりとした空とともに、かすかに映り込む玄関の照明が見えたりするのが面白い。  


Posted by そらねこ at 21:57Comments(0)

2016年09月23日

雨の日が続く

台風を挟んで、今年は秋雨の降り続くお彼岸である。
入り口がぬかるんだりするのでなかなか厄介ではあるが、屋敷の中はベタつく感じもなく想像以上に快適である。
庭の雑草が元気なのは残念であるが、しっとりとした庭の石の風情も悪くはない。
ある意味こんな天候の時の方が、屋敷の落ち着きを感じられるかもしれない気がする。
贅沢に使われている一枚板質感も、しっくりと感じられるのではないだろうか。  


Posted by そらねこ at 23:13Comments(0)

2016年09月22日

馬の如洋

南画に四条派を加味した如洋は、基本的には水墨画を極めようとした絵師である。
しかし何故か馬の絵が目立ったのか、『馬の如洋』と呼ばれることが多い。
屋敷のコレクションにも、もちろん馬の画が残っている。
海外にまで出かけて画を描いた如洋が、どんな思いで馬を描いたのであろいうか。
繊細な画から大胆な筆使いまで、絵師というのは様々な表現を持っているものである。
もちろんそれであるから、職業として成り立ったのであろうが・・・。  


Posted by そらねこ at 22:14Comments(0)

2016年09月21日

縁側の屋根は庇

屋敷に出入りしていて気づいたことの一つに、縁側は屋内ではないというのがある。
母屋の広縁は高価な木材を使った、見事な構造である。
だがここはあくまで縁側であるので、天井板がないのだ。
縁側は部屋の外の部分で、庇があるだけのようなのだ。
もちろん屋敷の広縁は床板ばかりだけではなく、野地板も垂木も見事な素材であるが。
軒桁は北山の磨き杉だと聞くが、9m余のものはなかなか見られないと思われる。
漆仕上げであったろうが、あくまでも庇なのでガラス戸の外までそのまま続いている。
もちろん70余年も風雨にさらられれば、漆なども無くなってはいるが。  


Posted by そらねこ at 21:42Comments(0)

2016年09月20日

ちょっと違った台所の風景


屋敷をガイドしていて、台所はなかなか興味を持たれる場所であると感じる。
竃や井戸や木の冷蔵庫に、電気炊飯器やガスオーブンなど見どころはいっぱい。
魔法瓶や鰹節削りとか、買い物かごやポップアップのトースターなども人気が高い。
そしてタイルの流し台なども興味を持たれるが、この目線ではご覧ないならないであろう。
さすがにそこまで時間は割けないのであるが、リピーターの方はこんな角度もご覧あれ。
台所のこの位置からの眺めは、メンバーでもあまり目にしていないかもしれない。  


Posted by そらねこ at 21:33Comments(0)

2016年09月19日

ひねもすのたり

何度書いたか判らないが、別館の階段はとても居心地がいい場所である。
いろいろと相反する要素が、そこに存在しているからか。
まずは仄暗いのに、光がとても美しく見える場所である。
分厚い欅の一枚板に漆仕上げなので、しっかりと硬く丈夫なのに柔らかな踏み応え。
余裕を持った幅とその緩やかな傾斜が、上り下りをなんとも楽しく感じさせる。
何よりも空間としてとても魅力的で、途中で座り込んでいるととても優しい場所のような気がする。
まあ強いて難点をあげるならば、踊り場に段差があることくらいだろう(笑)  


Posted by そらねこ at 19:15Comments(0)

2016年09月18日

明日は彼岸の入り

バタバタと夏を過ごしているつもりでいたが、明日はもう彼岸の入りである。
日が短くなってきたと思ったら、秋分はもうすぐだった。
屋敷にはないが、曼珠沙華もあちこちで咲き始めている。
考えてみればこの間十五夜だったのだから、すでに秋も真っ只中であると言っていいのであろう。
書斎の板戸絵の七草図の草花が、屋敷でも幾つか見られていたことに気づいた。
ああすでに、この絵の季節となったのだ・・・。  


Posted by そらねこ at 19:00Comments(0)

2016年09月15日

野沢如洋展


野沢如洋は青森が生んだすぐれた日本画家で、棟方志功が郷土の先輩と尊敬した絵師である。
屋敷には二十点あまりの絵画が残されていて、龍次郎翁のお気に入りであったように思える。
屋敷を建て始めた頃には亡くなられていたので、生前の依頼か没後の購入なのであろう。
ただ中山忠直というなかなかの人物が、両者を仲介していた可能性はかなり高い。
乱世を生き抜き一代で財をなした翁は、彼らのように個性的な人物が好きだったのだろうか。
ほんのささやかな展覧会ではあるが、国登録有形文化財での展示は面白いと思う。
とは言え、まだ何も準備はできていないのではあるが(笑)
個人所有の絵画に関しては、美術館などは何の協力もしてはくれない。
朽ち果てる前に、いくばくかの方々にご覧になっていただきたいと思っている。  


Posted by そらねこ at 21:39Comments(0)

2016年09月14日

夏が終わってゆく

蝉の声が響き渡り、庭を草が埋め尽くす屋敷ではあるが。
季節はどうやらすでに夏は終わってしまったようである。
まだまだ晩夏のような気分でいたが、すでに初秋の残暑か。
暑さや蚊の飛来はともかくとして、確かに光の具合はとっくに夏ではなくなっていた。
こうやって屋敷の季節が巡るのを眺めるのは、もう何度目になるのだろう・・・。
何度見てもその表情の変化を、見飽きることはない。
ここはいまだに、特別な場所!  


Posted by そらねこ at 18:26Comments(0)

2016年09月13日

引き出しの取っ手

居間にある作り付けの棚の、引き出しの取っ手である。
台形のプレートの周囲を起こすと、取っ手となるデザイン。
昭和初期のものと考えると、かなり斬新なアイデアだったのではないだろうかと思う。
今見てもこの機能性とデザインは、十分通用するだろう。
固定用の木ネジを含めて、その形状が成り立っている。
おそらく20年余り(いやNPOでの使用を含めると、30年くらい)使用されているが、未だに何の問題もない精密な加工と耐久性は、現代の製品よりも優れているとさえ思える。  


Posted by そらねこ at 18:21Comments(0)

2016年09月12日

走り出せ自転車

屋敷の床下にある通称地下室に、半世紀以上も前の自転車が残っている。
今の軽快な自転車とは違う、『実用車』と呼ばれたタイプのものである。
その三角形のフレームは、女子供の乗車を拒否するかのようであるが力強い。
そして屋敷に残っているものには、まだ包装紙が巻かれているので未使用車であろう。
よく見ると色も黒ではなくモスグリーンで、パーツもどこか軽快な感じになっている。
龍次郎翁が購入したものの、結局乗ることもなく残されたものなのであろうか・・・。
さすがに錆びてはいるしタイヤも傷んでいるが、基本的にはかなり良好な状態であろう。
どなたか興味のある方で再生できる方がいらしたら、ご相談に乗りますよ!
ただし、あくまでもボランティアでの話ですが。  


Posted by そらねこ at 21:34Comments(0)

2016年09月11日

屋敷秋景

残暑が・・・などと言いつつも、季節はすでに秋であろう。
ススキが穂を出しているなどと思ったら、なんと十五夜はもう直ぐではないか!
まだ名残のように蝉の声も聞こえるが、めっきりと少なくなったのを実感する。
気づけば日の傾く時間も早くなり、ふと目にする風景は「秋」そのものであるようだ。
トンボの姿もそうであるが、木漏れ日が作り出す影絵はすでに夏のものではないだろう。
ふと南部春邦氏がこの情景を描いたら、どんな画になるんだろうなどと思ってしまった。  


Posted by そらねこ at 18:13Comments(0)

2016年09月09日

煙草盆


龍次郎翁は当時高価だったウヰスキーなどを飲まれていたようであるが、煙草も吸われていたようで各所に灰皿やタバコ入れが残っている。
それも紙巻ではなく、葉巻を好まれていたのだとか・・・。
まあそれも、当時のステータスであったのかもしれない。
これは琉球みやげの煙草盆のようであるが、翁が行ったのかどうかはわからない。  


Posted by そらねこ at 23:29Comments(0)

2016年09月08日

内玄関に入ってみると

今内玄関は見学時の出入りはできなく、廊下側からしかお見せしてはいないのであるが。
外から入って来たとすると、こんな風な風景になるのだ。
廊下の向こうに続く広縁を、引き戸で隠しているのがお分かりになるであろうか。
そして本来ここには、長火鉢は無かったはずである。
この長火鉢は屋敷のものでは無く頂き物なのだが、置いてみるとなかなか良い風情だ。
火鉢の左上には、組み込まれたように板が置いてある。
これは江戸火鉢の特徴で、猫板と呼ばれる一枚板である。
これに急須や茶碗を乗せ客に茶を振舞うのに使ったのだそうだ、という話は屋敷よりも古い話かも。  


Posted by そらねこ at 22:12Comments(0)

2016年09月07日

めぐる季節が


屋敷に通うようになってから、光の具合に季節を感じるようになった気がする。
別館玄関ホールを眺めていても、光の季節がすでに夏ではないと思えるのである。
どこがどうと言われても答えようがないのであるが、雰囲気が違うと言えよう。
何が違うんだろうかななどと思いつつ、ぼんやりとその光の風景を眺めている。
それってこの屋敷での、楽しみの一つでもあるんだろう・・・。  


Posted by そらねこ at 23:47Comments(0)

2016年09月06日

印半纏

屋敷に残っていた印半纏。
襟元の文字は『油脂加工社』(現『株式会社 マノール』)のものであるが、矢中家のものと考えてもあながち間違いではなかろう。
まずは上部の丸いマークであるが、矢羽が”Y”の字になっており、アルファベットのAの中に入り込んでいる。
これで ある意味、『矢中』を表現した意匠であるだろう。
そして腰の部分の模様は、太い漢字の『中』となっている。
そこに表現されているのは、『矢中』なのである。
そして上の丸い意匠は、現在でもマノールのマークとなっている。  


Posted by そらねこ at 23:35Comments(0)

2016年09月04日

野沢如洋の掛け軸

龍次郎翁は多彩な人だったらしく、掛け軸や屏風絵などの収集もかなりしていたようである。
屋敷を飾る画は親交があったらしい南部春邦がメインであるが、所蔵品としては野沢如洋の掛け軸等がかなり残っている。
『馬の如洋』などと言われていたが、基本的には水墨画が得意であったらしい。
龍次郎翁は中山忠直を介して知ったようであるが、20数点のコレクションは個人としては多だろう。
折角なのでこの秋展示しようと思い、某美術館に相談を持ちかけてみたのであるが・・・。
残念ながら件もほろろであった。
どうやら所蔵品以外には興味はなく、個人所有が廃棄されても平気なようである。
まあそれならば仕方がないので、素人ながらの展示を行うつもりである。
個人所有の絵画が失われていくのも、理解できる気がした。
寄贈されたら大発見とかいうのであろうと思うと、日本の美術館とはその程度の施設なのであろう。
ゆかりの美術館がそこまで無関心なのであれば、多くの作品はやがて消えてしまうのだろうなぁ。
日本の美術品保存の文化レベルや、行政の縦割り主義がありありと浮かんで極めて残念である。
まあまずこんなブログは、お偉い美術館の学芸員様などには届きもしないだろうが。
日本の美術品の保存など、こんなものである。  


Posted by そらねこ at 22:21Comments(0)

2016年09月03日

母屋の床柱

屋敷には茶室はないのであるが、さすがに床の間はある。
広縁の向こうに築山の中庭を望む、掘りごたつのある部屋なのであるだが。
畳の敷かれた一間幅の床は、桜川の砂を使ったと言う黒い砂壁である。
そして床柱は面取りされた真っ直ぐな柱なのであるが、木目が素晴らしいのである。
鏡のように綺麗に磨き上げられているのだが、その表面はまるで凹凸があるようだ。
泡木という木目らしいが、なんともいえない美しさである。  


Posted by そらねこ at 23:48Comments(0)

2016年09月02日

表玄関の佇まい

屋敷を訪れる時に、最初に入るのが『表玄関』。
まずは石段を登って来てのこの空間は、ちょっとした驚きであろうとは思うのだが。
ガイドを受けて床や天井にも感心されるが、すでに興味は玄関ホールから板襖へと。
もちろん小一時間のガイドでは、さらっと見る程度で終わってしまうのは仕方がない。
たかが個人邸に一時間近くもと思われるだろうが、現実にはダイジェストに過ぎない。
ガイドし終わって帰る時に見えるこの風景は、意外と印象に残るのではないだろうか。
この意匠の美しさは、屋敷を一通り眺めてからこそ感じるものではないだろうか。  


Posted by そらねこ at 22:04Comments(0)